有機農業(Agriculture biologique 英 Organic Agriculture)
日本では、「有機農業の推進に関する法律」の第二条において、「科学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負担をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」と定義されている。国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)が定めた「有機的に生産される食品の生産、加工、表示および販売に係るガイドライン(CAC/GL 32-1999)が採用されており、日本でもこのガイドラインに基づき、有機JAS規格を規定している。2010年にEU、2013年にアメリカとの間で、各国の有機認証制度と日本の有機JAS制度との同等性評価が完了しており、一定の条件の下で、それぞれの規格で生産された食品の有機表示が、相互で可能になっている。国際的な認証団体で最大のものとして、1991年に設置されたフランスのEcocertがあり、トゥールーズに本拠地を置いている。
有機ワイン(Vin biologique 英 Organic wine)
法律上、有機ワインと表示できるものは、有機農業により生産されたブドウを用い、原料の収穫、運搬、受け入れ、醸造、瓶詰、出荷のすべての製造ラインについて有機ワインではないものとは隔離され、しかも公的機関の認証を受けたワイナリーにおいて生産されたものでなければならない。日本では「有機農畜産物加工酒類」または「有機農産物加工酒類」と表示される。以前、EUでは「有機農業によるブドウから造ったワイン」についての規定は存在していたが、この規定には醸造家庭についての取り決めがなく、「vin biologique(有機ワイン)」と表示する場合の定義や規定がなかった。このため、「有機農業によるブドウから造ったワイン(Vin issu de la viticulture biologique)」という表記だけが認められていた。2012年3月8日付けのEU規則により、「vin biologique(有機ワイン)」についての規定が制定され、醸造方法やワインに添加できる物質と量が定義された。2012年収穫分から適用され、規定に合致したワインは、EUの共通ロゴと「vin biologique」をラベルに表示することが出来る。
Biodynamie(英 Biodynamics)
人智学者のルドルフ・シュタイナーが提唱した農法で、循環型農業の側面をもち、農事歴を活用し、植物が持つ生命力を自然界のエネルギーで活性化し、安定した農業生産を目指すもの。この農法は、月や惑星の動きと植物の成長を調和させることを重視した農事歴を用いた栽培スケジュールや、化学肥料、除草剤、殺虫剤等の農薬を使用せずに、プレパラシオンと呼ばれる調合剤を利用する。Demeterはドイツの認証団体で、「バイオダイナミック農法の指導と認証活動を行う組織」。有機無農薬栽培に加えて、バイオダイナミックス農法を規定通りに実施していることが認定条件となる。
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