通常は白ブドウの果汁を使いますが、まれに黒ブドウを用いることもあります(黒ブドウに含まれる色素を抽出しないように圧搾)。
収穫したブドウは圧搾の前に、除梗や破砕を行う場合と行わない場合があります。
除梗をせずに圧搾すると、梗が緩衝材となって搾りやすくなり、顆粒と梗の接続部から苦みを持つ成分が出にくいので、エレガントな酒質になるとされます。なお、赤ワインの場合、アルコールの影響で梗から渋味が出ますが、白ワインの場合、果汁の状態なのでアルコールがなく、ほとんど抽出されません。
圧搾はできるだけ速やかに行い、果汁だけを抽出します。
圧搾時、果汁に少量の二酸化硫黄(亜硫酸)を添加します。
低温で半日ほどおいて不純物を沈殿(Débourbage)させた後、上澄み部分の果汁を別のタンクに移し、酵母を加えて発酵させますが、赤ワインに比べて発酵温度を15~20℃と低く抑えて、ブドウがもつアロマ成分が揮発して減少を防ぎます。
ワインのスタイルによっては、まろやかな風味を得るためにマロラクティック発酵を行うこともあります。その後は、赤ワインと同じように熟成→澱引き→清澄→濾過→瓶詰めと進みます。
場合によっては樽育成中にBâtonnage(樽の中の澱を攪拌する作業)を行い、酵母とワインの接触を増やし、酵母に含まれるアミノ酸など旨味成分をワインに移行させる作業を行う。
従来のバトナージュは樽に棒(バトン)を入れてかき混ぜていたが、最近では樽を専用のラックに収め、樽ごと回転させることで行うこともあります。また、清澄剤には、ベントナイトなどが使われる。
コメント